こんにちは! 幸知賢太郎です。
さて今日は、「プラダを着た悪魔 再考(最高)」というタイトルでツラツラ書きます。
この映画は2006年に公開されたので既に10年以上経っていますが、
今でもファッション視点からはバイブル的な存在だそうです。
私はそこももちろん楽しめましたが、
・メインキャストの“誰の立場でこのストーリーを観るか”、
・そして、タイトルの“悪魔”は誰なのか?
そんな視点と見方で実は5回は観て楽しんでいます。
それは、この映画がセリフでこそ一言も出てきませんが、
「働く女性の夢や目標・目的、価値観の違い、手段、そして家庭とは? そして何を犠牲にできるか?」
などの問題を観客に突きつけ、これらの人生の重要な用語と核心をスクリーンの中の俳優陣
の見事な演技にすりかえて表現している点において、この映画はとても素晴らしいのです。
また、観る側の成長スタンスで観るたびごとに、素敵なメッセージを届けてくれます。
と、言ってもこちらの”捉え方次第”ですけどね。
これからも大事にしたい作品の1つです。
ご存知の方も、多いかと思いますが、
どうしてもこの役を演じたかったというアンハサウェイ扮する”アンディ”は、大学出たての
ジャーナリスト志望。そのためにニューヨークに出てくるわけですが、ありついた仕事は
それとはほぼ遠い一流ファッション誌“RUNWAY”の編集長・ミランダのアシスタント。
ミランダ役は、さすがのメリルストリープが演じています。
脱線しますが、私はメリルの大ファンなのですが、彼女の長く華やかな女優人生においても
バリバリのOL役は初めてではないかなと思います。
アンディは秘書兼アシスタントとしてそれは激しくこき使われるのですが、
彼女に仕事を教えるちょっといじわる先輩アシスタントのエミリー役がエミリーブラント。
彼女は、ブランドに取りつかれたようなさまで、ミランダに連れられパリコレに行ける!?
ことを受動的に夢見ている女性です。 どこか抜けていて憎めないそんな役です。
この3人ともが今もそれぞれ第一線で仕事をしている点もうれしい限り。
観ていない方も居られると思いますので、ここから8行は“ネタばれ注意”。
「アンディはミランダにその後フルタイムで酷使され、やがて不満タラタラになります。
しかし、周りのスタッフから“君は自分の意思をもって勉強していない、甘い!”と
叱られ、そこで“気付き”を得ます。
そこからはミランダのリクエストを凌ぐ仕事ぶりで、
エミリーを抜いて第1アシスタントに駆け上がります。
しかし同時に彼氏や友人との距離は離れていく。
ここで、みなさんもきっと同じように、考えさせられるではないでしょうか・・。
やがてミランダと自分の価値観(仕事において、家庭において)の違いに“気付き”、
ついにはファッション誌を去り、目標だったジャーナリストの扉を開く~というストーリーです。」
冒頭に少し触れましたが、「プラダを着た悪魔」は誰のことを指すのか?・・・
少しだけ触れておきたいと思います。
1)メリルストリープが劇中にプラダを着まくり、部下をこれでもか!と酷使するので、
ミランダか・・・とも取れます。
彼女は家庭がギクシャクしても仕事は全うするタイプ。
仕事を成就させるためなら、周りの犠牲さえもためらわない。
最後の最後でも、“編集長”の座を誰にも渡さず君臨した。 そう、目的は全うした!
2)アンディは、ミランダに振り回されつつもやがて自分で仕事をものにし、
ミランダの指示や要求を先読みして、そして認められ、ステージアップしていくタイプ。
プラダをまとい、パリコレまで行けるようになります。
でも最後はここを辞めて、ジャーナリストになった。 そう、目的は全うした!
結果的に“RUNWAY”を腰掛けにして、目的であったジャーナリストになった・・・
この初心を貫いた素晴らしい生き方(!)
多くの女性が憧れる”ポスト“をあっさり捨て!
あのまま、残っていればもっとステージアップ出来たかもしれない、のに!
冒頭では、服などに気を使わないことを美学としながら、やがてプラダを着こなし、
先輩を追い越してどんどん上り詰めていく姿勢を、“悪魔”と揶揄するのか・・
1)でも2)でも、プラダを纏う人全てをそう揶揄するとしても、観客の捉え方に委ねているとも取れるので
どちらでも良いのですが、それにしてもどちらも素晴らしい生き方だと思います。
働く女性の生きざまを三者三様に描いた点や、
こんな時、あなたならどうする?という困った系シチュエーションもちりばめてある点でも、
言わば語れる映画なのです。
ぜひ、私のセミナーの中でも“プラダを着た悪魔から考察する働く女性の◎◎”をテーマにし、
いつかセミナーメニューに入れて“みなさんとフリートーク”しても良いかなあ・・と思っています。
結論を出すトークでなく、それぞれの「価値観」を理解するという
トークからの「気付き」もあると思います。
それは今、目的や目標がなくても、スクリーンを通じて自分を投影することが出来る機会にもなるからです。
こうして数々のシーンを思い起こしながら書いていると、久しぶりにまた鑑賞したくなるもので~~
特にラストは本当に素晴らしい・・・・
いつか、午前10時の映画祭で取り上げてくれないかああ???
では今日はこの辺で・・・・
最後に・・・・“人生は、自分流で楽しみましょう。”
